JARL第10回定時社員総会(その2:準備書面回答について・所感)

JARL第10回定時社員総会報告その2として提出した準備書面への回答、所感を記載したいと思います。

【質問1-1】会計帳簿閲覧謄写請求開示拒否理由について

 コロナ禍において経費見直しや合理化が行うことが出来たとしながら、雑費が前年度に比べて大きく増加している。これは会計帳簿閲覧謄写請求開示拒否に関わる弁護士費用の増加と推察できるが、請求された時点で開示すべき物を弁護士費用をかけてまで拒否する理由を回答いただきたい。

【回答】

  (前のページの準備書面の回答を踏まえたうえで)先ほどの通りでございます。
 

 【質問1-2】高尾会長の定期代、駐輪場代支出の件

 常勤理事は専務理事であり、非常勤理事である会長は本来出勤する必要がありません。定期代、駐輪場代を支出する根拠となりえる、年間出勤日数、具体的な業務内容、出勤すべき明確な理由を回答いただきたい。
※高尾会長の出勤を否定しているわけではなく、必要な出勤であればかかった交通費は支給すべきと考えていますので、詳細な回答をお願いしたい。

 【回答】

  定期代も先ほどの通りでございます。
※年間出勤日数、具体的な業務内容、出勤すべき明確な理由については説明がありませんでした。
 

【質問1-3】赤字決算解消の方策、ビジョンについて

 毎年赤字予算、決算を続けているが、赤字解消に向けた方策、ビジョンが見られない。赤字解消を解消するつもりがあるのか、あるのであれば「○○年までに解消する」といった具体的な目標を回答いただきたい。 

【回答】

  赤字も先ほどの通りでございます。将来のためにも会員収入を確保して経費を削減できれば削減して、今後の収支の改善には尽くして参りたいと思っております。
※○○年までに赤字を解消するといった回答はありませんでした。
 
 

【質問2-1】社員総会情報公開について

 コロナ禍で社員総会へ出席しない社員もいるなか、今年の社員総会から速記録も廃止され会員のみならず、社員も社員総会の詳細を知ることが出来なくなっている。
昨今オンライン中継が安価かつ容易に行えるようになっているが、社員総会をオンライン配信するつもりはないのか?
※機材、技術、人員が理由により出来ないのであれば、それらをこちらから協力することは可能である。

【回答】

 これに対しての日野岳専務理事からの回答はありませんでした。

 

【質問3-1】青少年お試し入会キャンペーンについて

 青少年お試し入会キャンペーン開始後の年度別入会者数、エリア別会員数、お試し期間終了後の継続入会率はどのようになっているのか回答をいただきたい。

【回答】

 年度別
 平成28年度→366名
 平成29年度→562名
 平成30年度→375名
 令和元年度→324名
 令和2年度→174名
 通算→1801名

 エリア別
 1エリア→901名
 2エリア→219名
 3エリア→158名
 4エリア→61名
 5エリア→41名
 6エリア→136名
 7エリア→154名
 8エリア→61名
 9エリア→41名
 0エリア→29名

 無料お試し期間終了後の有料での継続率は23.9%

 

【質問3-2】青少年委員会立ち上げについて

 WAKAMONOイベントの実施や助成など、積極的に青少年への支援を推進されているが、実際に青少年が求めていることとずれた内容になっていると感じている。
そういういったずれの解消や青少年からの意見を取り入れやすくするため、青少年に近い20代、30代のメンバーを中心とした青少年委員会の立ち上げを提案する。

【回答】

 青少年にむけてのさらなる支援につきましては、ただいまのご意見を参考にいたしまして会員増強組織強化委員会などで検討を進めて参りたい。

 

【質問3-3】青少年振興について

 「アマチュア無線機は高校生等では金銭面で大きな負担となっており、免許を取っても開局出来ない。そうなる前にJARL側で無線機とアンテナを貸し出し、体験出来る制度を作って欲しい」とのご提案をいただいた。現状、高ア連でこの手の取り組みをやっているが、貸出期間が高校生に限定、かつ、期間も1か月と言う短期間である。こう言う事こそ、青少年サポートの一環として、「お試し入会」を組み合わせる形でJARLがやるべき事柄ではないか。
しかし、問題も多く、解決しないといけない課題として、
・現行の法制度とどうマッチングを取るのか
・機器類の貸借期間
・貸借に関わる費用
・貸借期間中のアフターサポート(故障した場合や再免申請等)
・技適の問題(古いリグを使う場合等)
・お試し入会期間後、本入会に関わる諸々の問題
等がある。
仮に実現しようとするのであれば、これらをどうするのか、を有識者間で詰める必要があり、JARLの委員会、具体的には「会員増強組織強化委員会」の所管にはなるかと思われるが、是非とも実施すべき内容である。
上記の提案を踏まえた上で、若者会員増強に向けた執行部のご決意をお聞かせいただききたい。 

【回答】

 お試し入会や青少年の助成制度、さらには学校社団に対する助成制度ということでJARLの会費は減免してるわけでございます。青少年のアマチュア無線を楽しむ上での金銭上の負担を少しでも軽くなるような制度拡充をおこなって参りましたけれども、個々の無線局に対する実際の無線機の提供とか費用の負担、無線機の管理サポート、いろいろ考えはあろうかと思います。昨年度の制度改正で体験運用というような拡大を実現致しましたので、このような制度を利用して体験機会を増やすなど会員青少年の増強にむけて総合的に検討を進めて参りたいと思います。

 

【質問3-4】WAKAMONOイベントについて

 現在はCOVID-19が蔓延する中で開催が出来ない状況ではあるが、'19開催迄の開催時期を見ると、2学期の中間試験前後だから参加が難しい、と言ったご意見が寄せられた。現実、「参加したくても試験が近いから参加出来ない」や「学校行事があるので参加出来ない」等の問題について、例えば、「時期の見直し」や「秋だけでなく、他のシーズンを跨いだ複数日程での開催」等により、数多くの参加人数が見込めるのではないか。
会場の都合等で難しいと思われるが、そう言った時はオンライン開催等の代替手段が考えられる。イベント再開の際、こう言ったご意見を参考にされるご意思はあるか。
また、開催内容も対象年齢会員さん向けにアンケート調査を行い、「一体どんな分野に興味があるのか」を募り、分析の上プログラム作成を行う必要があると思われるが、執行部のご見解をお尋ねする。 

【回答】

 夏のハムフェアから少しの間を置いて、季節のイベント、ちょうどハロウィンといつも連動していますけども、たまたまですね、このへんで盛り上げて、さらに活性化される青少年の都合とかですね使用する会場の確保など総合的に換算して10月下旬に実施して参りました。過去のイベントのアンケートでも取っております、参加者のみなさまからのご意見ちょうだいしておりますけど、ご指摘の点につきましても参考にさせていただきたいところでございます。

 

 【提案3-5】コンテストについて

 現在、例として、国内4大コンテスト「シングルオペレータのジュニア部門」がない。
電話部門では「ニューカマー部門」がありますが、特に年齢制限がない。
いただいたご質問の中に、「学校活動の制限、具体的には門限があり思うように活動出来なかったり、そもそも社団局がなく、そう言った子達は力がある学校社団に到底適わない為、チャンスを与えて欲しい」との意見が寄せられた。
取り敢えずの所、ハンディ機でも参加が容易な2m/70cmの電話部門から設定し、そこから応募状況等を考慮の上、徐々に拡大すれば参加者の大幅増も見込め、若年層は元より、それ以外の年齢層もより一層アマチュア無線が活性化する事が考えらる。
これらの意見から、少なくともJARL本部が主催する4大コンテストに「シングルオペレータのジュニア部門」を設けるべきだと考えているが、執行部のご見解は如何か。
また、学校社団局の方からも維持が大変である、との声を伺っている。
ある高校さんでは予算交渉をする上で、実績がない上に高額な機械を買わないといけないと猛反発を受けたケースがあった。
運動部では区大会、市大会単位で3位から場合によっては5位まで賞状が得られるケースがある物の、アマチュア無線のコンテストでは1位の局だけであり、これによって1位を取らなくては実績が得られない→予算が得られない→機械を新しく出来ない→ 機械の故障等で更にコンテスト順位を落とす、と言う悪循環に陥る。
私に意見を下さった方の部活では、電鍵が全て破損している上にアンテナもHFの物が倒れ、破損する、と言う最悪のケースに見舞われた。これではいくら頑張ってもどうにもならないのは言う迄もない。
勿論コンテスト盾制度もあるが、実績がなく予算がなく、それすら買えない。
よって、コンテストの賞状をもっと下位まで発行して頂けないか。
JARL会員局限定とすればJARL会費についての予算の正当性も高体連の様な物だと説得出来、JARLの増収にも直結する物であると考えている。
その方が通われる高校さんでは、在学中に個人局を開設する方は少ない様だが、「卒業後にコンテストでちょっとでもポイントになってやるよ」と言う事で開局して下さる方もいらっしゃるとの事である。
社団局の存続はそう言った「未来のJARL会員」が無線を始めるきっかけにもなっていて守る価値が高いのではないか。
こう言ったの学校社団局に向けたコンテスト賞状の発行について、執行部の前向きなご回答をお願いする。

 【回答】

 コンテスト規約の改正ということもございますのでコンテスト委員会で検討していただくとにさせていただきます。

 

【提案3-6】若者層への知識の引継ぎと再分配について

せっかく無線を始めた若者がHFへのOAの壁に当たり頓挫してしまうと言う話をよく耳にするが、これは知識をもつOM層が若者への知識のトリクルダウンを行えていないことが大きな問題であると考えている。
そこで、JARL及び地方支部がニューカマー等への希望時にステップアップ講習会の様な知識の引継ぎと再分配を積極的に行うべきだと考えている。
内容としては、支部局を利用したQSO練習やアンテナ製作などを行えば若者の定着率も上がるのではないか? 

 【回答】

 これに対しての日野岳専務理事からの回答はありませんでした。

 

【所感など】 

  • 以前にオブザーバー参加した社員総会と比べ、ヤジや怒号が飛ぶこともなく、粛々と進められており非常に良くなったと感じた。
  • 質問も遮られることなく、出尽くすまで議論されており、議事の進め方は良かった。
  • 都合の悪い質問に対しては首をかしげるような仕草や、回答時に声のトーンがさがるなどが見られた。
  • 採決で保留されていた社員の方がいらっしゃったが、前の理事席にわからないようにこっそり手を挙げるような挙げ方をされていた。また、採決時、理事席からの視線を強く感じた。
    ⇒無記名投票式で行えば少し結果が違ったのではないだろうか・・・
  • 初めての参加ということ、また時間も少ない中でしたので、質問はよっぽどのことがない限りは経験豊富な諸先輩方に任せるスタンスで、質問はしませんでしたが、次回からはもっと質問しようと思った。
  • 準備書面はたとえ満足な回答が得られなかったとしても、執行部の考え方がしれるので有効である。社員の方々はもっと出すべき。
  • 会場後ろにビデオカメラが設置されており、別室の傍聴席へ中継されていた模様。これができるのであれば、ネット中継も容易なのでは?
  • 磯社員の質問提案で「コミュニケーションを密に」との話があり、執行部側も否定しなかったので、コロナが落ち着いたタイミングで高尾会長と直接お話する機会を設けたい。今までメールしても無視されるとの話を聞いていたので、メールもしていなかったが、KANHAMやARISSが落ち着いたタイミングで考えをまとめてメールしたいと思うが、返信してくださるだろうか・・・?
  • 青少年お試し入会キャンペーンのエリア別人数を見ると、人口比というよりは学校クラブが活発なエリアの人数が多いのでは、と感じた。青少年世代を盛り上げるには学校クラブの支援が有効ではないだろうか。

 

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